伝説巨神イデオン…を見た。聞いた。

 久しぶりにイデオンの映画をDMM.comで借りて見た。イデオンの映画はレーザーディスクでは購入して持っているのだが、LDが廃れて、DVDへの買い直しを逃してしまい、今日に至る。急に見たくなったのは、先日の某女優さんのTwitter発言だろうか。エヴァとの比較発言でいろいろと話題になったみたいだが、私的には比較はどうかな?と思う。時代が違いすぎるし、自分の立場上…たとえば、片方しか見ていないとか、片方の何か商業的なものを買ってしまった場合は、自分の行動を否定できないから、公平な見解などできはしないと思うからだ*1
 イデオンについては、自分はテレビ放送の時から全話は見ている。エヴァもビデオで16話まで、本放送で最終話まで見た*2。しかし、同じ鬱作品でも、種類が違う気はする。エヴァセカイ系と言われている様に、個人の立場から鬱展開を映しているが、イデオンは全体の立場から鬱展開を映している感じは受ける。たぶん、あの時代、4クールが当たり前だからできたのだろう。個人の立場から、全体の立場から、の鬱展開については、個人の立場からの鬱展開の方が感情的で強烈であるけど、全体的な立場を映してくれた方が、私的には後々もよくわかると思う。
 元々はバスやトラックが合体して戦う「本当に子供向けの物語」だったのに…どうしてこうなってしまったのだろうか(笑)

 テレビの最終話近くまでを強引にまとめた作品。発動篇だけでは興業的に不親切だから作られたものだと思う。でも、結果的には、初めてイデオンを見る人は、テレビ全話を見ないと意味が無いとも思う。これは、テレビを見た人が、ストーリーを思い起こすためのモノだね。

 不完全な最終話から、真の最終話までを描いた作品。"無限力"と言う、ハッピーな響きを持った物を手に入れた人々が、宇宙を逃げ回りながら死んでいく姿には、今でも圧巻させられる。
 鬱展開のテーマは「人は己の業を乗り越える事はできるか?」と言う事らしいが、今考えると、それはあまりにも高いハードルで、イデの発動で全員が死んでしまうのは頷ける展開だと思う*3イデオンの登場人物も、死んでから、ようやく互いをわかりあえたみたいだし。

 Twitterのニュースや、今時代の鬱展開の作品から、イデオンの名前を知って、初めて見ようという人はいるとは思うが、上にも書いたように、この映画2作では不完全でわからないと思う。できれば、テレビシリーズ全話を見る勢いでがんばってほしい(笑)

 CDが無かった当時、レンタルレコード店で借りて、AHFのカセットにコピーしてカセットウォークマンで聴いていたお気に入りのアルバムだった。それを思い出して借りてみた。さすが、すぎやまこういちさんの作曲と思う。
 02:星々たちの物語…イデオンが起動する時によく使われていた曲。何かを期待させる中に哀しい旋律が入った名曲。05:発動…ギターソロのぶん回しが心地いい曲。08:銀河の黒い流れ…イデオン合体前の各メカが戦闘に発進する時によく使われていた曲。10:デス・ファイト…ギターソロの出だしと真ん中のピアノの部分が記憶に残る曲。

*1:この女優さんの発言は会話している間にエスカレートしてしまった結果だろうね。

*2:16話からアンテナを立てて、本放送が見られるようになった。

*3:生きている間に己の業を乗り越えられる人はいるとは思うが、全体の中ではかなり少数だと思う。